老舗「とつか和紙」和紙の魅力は受け継がれていくのか?

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立春も過ぎ、暦の上ではもう春です。

インフルエンザが流行っているようですが、そろそろ落ち着いて

ほしいものですね。予防接種をしたのに、罹ったという話が

周囲で多かったです。皆さん、大丈夫でしたか?

 

さて、

WEBマガジン戸塚新聞ではどういう基準で取材先を決めているか?

それは、

主婦ライターが勝手気ままに適当に自分の趣味に合わせて

ヒミツの情報源から独自調査を行い、選んでおります。

なんてね。

 

先月「カフェパティスリーバーキクゾー」の記事を紹介しましたが、

取材した際に斜め向かいにある「とつか和紙」の店舗を見て、

気になったのでそのまま取材依頼に寄りました。

 

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戸塚駅西口より徒歩5分、サクラス裏手に店舗があります。

 

もともとは浅草橋にある創業百余年の田中和紙・戸塚店として、

昭和55年(1980年)に創業し、この近くで営業していました。

平成13年に田中和紙を退職した店主が、とつか和紙として独立。

現在の場所に移転したのは約8年前とのこと。

 

旧いんだか?新しいんだか?

垂れさがった店名入りの幕といい、なんとなく郷愁を誘う外観です。

 

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店頭ワゴンには「これでもかっ!」といわんばかりに

大量の折り紙が陳列されています。

赤ばかり、青ばかりなど単色の袋や、

伝統的な柄~遊びココロ満載のものまで色々に。

 

店主の今井さんにお話を伺いました。

 

店主:

「和紙には美しく、しなやかで強い、長持ちするという魅了があります。

昔は当然ながら和紙しかなかったので、身の回りの物に和紙が使われ、

日常から切り離せない存在でした。

しかし、日用品のほとんどで大量消費向けの洋紙が主流となり、

残念ながら和紙の需要は低下しています。」

 

戸塚新聞:

「そうですね。日本人の生活スタイルがすっかり欧米化し、

和室がない家も多いし、家の中を見回しても文具や食品の箱、

トイレットペーパーなど思い浮かべても和紙ってあまり

見かけないです・・・」

 

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店主:

「例えば、こういった箪笥型の小物入れなんかは数十年前に

大流行したことがありますが、和紙に勢いがあった頃は、

お客さんが行列し、ずっとレジ打ち、商品出し、大量出荷で

作業に追われて目の回るような忙しさでした。

今の住宅では和室もなければ家具も造り付けが増えているので、

タンスもないお宅が珍しくありません。だから和小物をちょっと

置いてみたり、飾ってみることがなくなりました。」

 

戸塚新聞:

「あ~本当だ。田舎のおばあちゃん家は木造で、古ぼけた和タンスや

ちゃぶ台があって、その上に和紙の箱が乗っかっていたかも。

古き良き時代?昔懐かしい印象です!」

 

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店内に一歩足を踏み入れると、圧倒されます。

壁を覆い尽くすように飾られている手工芸品の数々に。

店主の奥様が手の空いている時間にコツコツと作りためたものだそう。

 

奥様:

「どんなものを作りたいか、何がほしいか、

見本にしていただければと思います。

材料の販売がメインですが、

もちろん完成品の販売もしております。」

 

店主:

「一時期は外国人のお客さんも日本土産として

よく買いにいらっしゃいましたねえ・・・

外国の方への手土産としては最適だと思いますよ。

完成品を買っていく方が多いですが、簡単なキットを購入して

ご自分で作って差し上げれば、より喜ばれるのではないですか。

今の人はなかなか手作りはしないかなぁ・・・」

 

戸塚新聞:

「確かに~!いかにも日本らしくてイイですよね。

空港や観光地の土産屋さんより断然お値打ちに買えそう!

外国の方に教えてあげたいくらいですね。

すごい品揃えなので、ビックリですよ~。」

 

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レジ横には和的グッズコーナーも。

レトロなおもちゃや置物が並びます。

 

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折り紙のバラも、和紙で折るとこんなに芸術的☆

 

店主:

「学校や福祉施設なんかで、手を使う作業として折り紙など工作系は

楽しまれているようです。でも、経費を抑えるために安価な材料の

ほうがいいようで、良い素材のものは需要が減っています。」

 

戸塚新聞:

「なるほど・・・100円ショップなど量販店で

何でも売っている時代なので、いかに専門店といえど

対向するのは厳しいのですね。」

 

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色紙、ハガキ、短冊など豊富な和雑貨を扱っています。

 

奥様:

「お客さんの年齢層は高いですね。シニア世代の方が、

お子さんやお孫さんに頼んでインターネットで当店を

探しあててもらい、一緒に連れてきてもらったなんて

話は多いんですよ。若い方はいらっしゃっても、店内を

ざっと見回ってそのまま出ていかれたり・・・」

 

戸塚新聞:

「和紙ってどうやって活用すればよいか分からず

敷居が高いように感じます。

私自身、手先ぶきっちょで手作りしない派の主婦なので・・・

食いしん坊なので食べ物系の手仕事は好きなんですが・・・

って自分をフォローしてみました。(笑)でも、

和紙をオシャレに生活に取り入れてみよう!的な講習会があったら

受けてみたいですね~。」

 

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【講習会】

店舗奥のスペースでは講習会も開催しています。

牛乳パック、ちぎり絵、切り絵、くるみ絵(押し絵)、折り紙

定期的に開催しており、その他臨時的に各種講習会があります。

10席あり予約制、毎回1作品を完成させることができます。

主に初心者向けの内容で、和紙・手工芸に興味を深めて

いただくことを目的としています。

気負わず手軽に始めてもらえるので、新しい趣味を模索中

の方いかがでしょうか?老若男女問わず歓迎!

 

最も多いのが「くるみ絵」

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【くるみ絵】

恥ずかしながら、主婦ライターは「くるみ絵」を初めて知りました。

和紙・布で綿・スポンジをくるんで、少し厚みのある立体的な絵に

仕上げることから、くるみ絵と呼ばれるそうです。

 

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こちらが外国の方に一番人気のシリーズ。

お雛様、五月人形、花、干支、縁起物など題材は

色々なものがあります。

お孫さんへのプレゼントにも良さそうです。

 

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【くるみ絵キット】

キットは、一人でもチャレンジできるように

説明書・完成図・台紙・和紙などすべての材料が入っています。

お店の方に相談したり、完成品を見ながら自分のレベルに応じて

選ぶといいでしょう。

 

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奥様:

「作り方をマスターすれば、あとは作る部分のパーツ数が違うだけで

基本的なテクニックはすべて同じです。初心者レベルからスタートし、

どんどん凝ったものにレベルアップしていくことができます。」

 

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【ちぎり絵】

柄ごとに下絵・台紙・和紙など全部が入って

キットとなって販売されています。

材料を揃えることさえ面倒なので・・・これは便利!

ズボラな主婦ライターでもやれる?

 

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初心者でも、それなりに見栄え良く完成するようです。

お手頃に楽しめそう♪

 

店主:

「最近は切り絵も人気のようです。切り絵関係の書籍もよく

出版されているようですね。」

 

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【和紙アクセサリー】

ブローチやキーホルダーなどオリジナルで

安価に作ることができます。

古風なアクセサリー、渋いです。レアです。

 

いつの時代も女性はアクセサリーが大好き♪

といっても、現代はビーズ・スワロフスキーなど

キラキラした洋風アクセサリーばかり???

そういった外国製の素材を多く扱う販売店は

若い女性で賑わっているようですが・・・

 

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桃の節句も近いということで、吊るし雛。

伝統的な吊るし雛の祭りが各地で開催されることもあって、

割と人気だそうです。

 

店主:

「何かのキッカケでブームが起こり、和紙が再注目されることを

願ってやみません。今や、日本の伝統工芸関係者はそれだけで食べて

いける人が少なく、従って廃業したり跡継ぎがいないケースを

よく聞きます。当店も同様です。いつまで続けられるか・・・

貴重なお店だから閉めないで!ってお客さんは言って下さるのですが。」

 

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強さと美しさを兼ね備えた伝統の手漉き和紙。

このまま和紙人口が減り続け、お店もなくなって、和紙の姿が

消えてしまったら!?

洋風の生活もいいけれど、日本文化が廃れてしまうのはあまりに悲しい。

新旧・和洋スタイルを日常にうまく共存させて、

何とか和紙文化が途絶えないよう守っていく知恵はないものでしょうか。

今後を憂いつつ、記事を締めくくることになってしまいました。

 

戸塚の名店「とつか和紙」、ずっと営業を続けてほしいものです!

 

***************

とつか和紙

住所:横浜市戸塚区戸塚町4789-2

tel:045-864-5984

fax:045-864-0464

営業時間:9:30~17:30

定休日:日・祝

HP:http://takewo.c.ooco.jp/

 

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