サクラス戸塚の裏側って、路地裏にいいお店があって意外と穴場エリアだとか。
つい手軽に駅前で飲食なんか済ませてしまうけど、ちょっと足を伸ばすと
新規開拓には面白そう♪
そんなわけで、一風変わったお店があると聞いて、今日はここ
「横浜マイスター 匠の里」
を偵察に行きました。店名だけでは何のお店かよくわかりません・・・
あっ、ココです。コーヒーとかランチの登りが立っています。
なんだ~普通の飲食店じゃん!?
これがランチメニューか! なんつーか、一貫性に欠ける・・・妙だなあ。
いったいぜんたい何屋さん??ともかく、入ってみよう。
戸塚新聞:「こんにちはーおじゃましまーす。」
「匠の里」代表の石川さん:「いらっしゃい♡」
と人懐っこい微笑みを浮かべて出迎えてくれた。(別にオネエではない)
戸塚新聞:「ここは・・・飲み屋?」
いろんなモノが所狭しと置いてあって、コンセプトが不明だ・・・(^_^;)
石川さん:「この店は以前スナックだったのを、改装したんですよ。
職人さん達の技が随所に光っているので、後で説明しますね。
この店は人が集うコミュニティサロンなので、ついでに飲食も
やってるんです。」
と言いながら、おもむろに石臼でコーヒー豆を挽きはじめるマスター。
ゴリゴリゴリゴリ・・延々と続く・・ゴリゴリゴリゴリ・・
突然の展開にたじろぐ私。
戸塚新聞:「ここがコミュニティサロン? ところで、それは何ですか?」
こういうとき人は、ツマラナイ質問しか口から出ないものだ。
石材店の石工さんがつくった「石臼」だそう。コーヒーの芳醇な香りが店中に
広がってきました。パフォーマンス最高★きっとお客さん喜ぶね~~~
とにかく話好きな石川さん、ドンドンと軽快なトークが進みます。
一般的な「ミル」と「石臼」では、粉が全く別物の仕上がりになるらしい。
ではその違いを簡単に整理してみましょう。
ミル → 小さく切る作業、粉の大きさは均一、歯車と刃で粗さの調整が簡単、
手回しは力が必要、電動だとあっという間だが機械の熱で風味が劣化しがち
石臼 → 割る作業、粒はほぼ揃う、石自体が冷たく熱を吸収し風味が落ちない、
少量ずつ、石の重みで意外と軽く回せる、粉の大きさを調整するには慣れが必要
石に切り込んである溝の形状・深さ・幅で豆の挽き具合を調整するため、投入する
豆の大きさ、焙煎の程度、豆の数や回転スピードを考慮しつつ、複雑かつ繊細に
操作することで、仕上がりが決定されます。
慣れないと一定しないのが難しいところですが、毎回の出来栄えが変わることに
面白味を見いだしたり、個性的な味を楽しめるということです。
戸塚新聞の心の声:
「石川さんってば、お気楽な感じで回しているけど、味は大丈夫か~??」
うんちくはここまでにして、こだわりのコーヒーをいただいた。
ためらいながら口に含むと、うふふ❤
とってもまろやかで豆の風味をダイレクトに感じちゃった~。
脳天を突き抜ける芳香に包まれ、幸福の高みへ!
この後、おしゃべりをして冷めてしまったのだが、ぬるくてもおいしいコーヒーって!
これには感動!!!
たまプラーザでその名をとどろかせるケーキ屋さん「ベルグの4月」
から特別に提供してもらうチョコレートケーキ登場♡♡♡
♡もはや私はあなたの虜♡
カカオの香りが詰まった風味&しっとり濃厚な口どけ・・・
チョコ好きにはたまらん!
お酒にも合うので、夜、アルコールとともにオーダーするお客さんもいるとか。
ケーキセット650円だなんて、超お値打ちじゃないですかー。
店内はオシャレというより、中高年向きって感じだけど
(ハッキリ言ってゴメンナサイ!)
それを気にしなけりゃ、お茶にも利用できます!
メニューは基本的に昼も夜も同じ。
青葉台のドイツハム&ソーセージの名店「シュタットシンケン」の商品や
夜の居酒屋風メニューもあり、ぜんぶ良心価格。石川さん、経営は大丈夫?
続いて用意して下さったのは・・・
しじみラーメン
ケーキセットの後にラーメンですか・・・よくわからない展開です。
(ライター、文句を言うな!)いただいてみましょう♪
透明なあっさりスープに、鳥取の穴道湖産しじみ、ワカメ、ネギという
シンプルな取り合わせ。主張のある具を乗せてしまうと、しじみの繊細なダシが
負けてしまうんだそう。しじみのエキスがじっくりと煮出されて、
やさしい味わいと適度な塩加減。このスープを余すところなく飲んでもらうために
薄味にしてあるので、物足りない方には卓上の岩塩をすすめています。
海塩より岩塩が合うんだ、というこだわり。
麺は北海道のもので、中太縮れ。細すぎても太すぎても合わないとのことで、
ちょどスープが絡みやすいのでしょう。
オルニチンのパワーを無駄にすべからく、これをオーダーしたお客さんたちは
無言でせっせと殻から身を取り外す作業に没頭するらしい。
オルニチンとは?
主に肝臓の働きを助け、コレステロールの排出を促す。
世のお父さん、労回復・二日酔いに効果的なので飲んだ〆にBESTですね。
しじみの滋養を得るため、スープまで完食。
ライスサービスがあるので、雑炊にして食べるのがオススメとのこと。
世のお母さん、しじみは美肌効果も抜群で、宍道湖あたりの女性は
毎日しじみを食べて、お肌ぷっくり色白なんだそーですよ。
コチラを目当てに通う女性客もいるんだとか。
エキスを出すには大量のしじみが必要なので、漁獲量日本一の宍道湖産を取り寄せ、
日持ちしないので、その日その日に作っています。
こちらでは健康によい食べものをコンセプトに、厳選されたメニュー揃え。
「ふかひれカレー」も密かな人気と聞き、後ろ髪引かれながら店を後にする
ライターでした。
スミマセン、つい食べるのに夢中でした。ここからが本題です。(遅いぞ!)
店名にある「横浜マイスター」って何ぞや?
横浜市が平成8年から取り組んでいる事業で、市民の生活・文化に貢献する優れた
技能職者を「横浜マイスター」に選定しています。後継者育成・貴重な技能・技術の
普及活動を通して、技能職の振興を図る事を目的としています。
※マイスター:ドイツにおける親方・師匠の意味で資格制度を差す
横浜市が刊行しているガイドブックに紹介されていますが、美容・住まい・
食など生活に根づいた各種の専門分野で秀でた技術者が毎年選定されています。
店内をぐ見渡せば、掛け軸・建具・タイル・陶磁器といったものが雑然と
並んでいますが、実はマイスター達の作品が展示されているんですね。
横浜市の事業をより具体化・促進させるため、その拠点に「匠の里」を開いた
石川さん。市民レベルでマイスターの技術に触れ、学び、継承問題を考える場と
なっています。伝統技能の途絶えに危機感を持ち、第二の人生として選んだ道に
突き進む熱意に溢れた人物です。
戸塚区が誇る大倉陶園のマイスター作品。
料理やステンドグラス等の工藝をマイスターから教わって体験するイベントも
年に6~7回ほど、店内でワイワイガヤガヤと開催しています。
人が集う場所には「食」も必要ってことで、飲食を提供していますが、
本来の目的はマイスター事業の振興なんですよー。(食レポが長いけど!)
石川さんの気さくな人となりが、居心地のよさを生み出していると感じました。
おしゃべりをが目当ての常連さんも多いそうで、年代層は高め&女性が多い
ようですが、飲食が目当てでもOK!一度この不可思議空間を訪れてみては
いかがでしょうか?夜は貸切営業で気の置けない仲間同士の宴会にも使えます。
こちらは、横浜市で百歳を迎えた方に贈られた座布団だそうで、
ふ~ん・・・横浜市ってこんなこともやっていたんだなー★知らなかったです。
このほど自民党は「日本版マイスター制度に関する特命委員会」を設置し、
「マイスター制度推進法案」(仮称)を策定し、資格試験の導入など検討しています。
ものづくりの熟練工の地位向上を図り、待遇改善や後継者不足の解消につなげる
のが狙いで、建設関係、電気・金属関係、食品関係など128業種が対象。
日本では文化より経済を優先し、予算がないと文化的事業は軽視されがちですが、
わたしたちの生活を豊かなものにするために、こういった分野の取り組みが重要
だということ、一般庶民も認知する必要がありそうです。
横浜マイスター匠の里
横浜市戸塚区戸塚町4790-9-101
☎045-517-7538
営業時間:11ー14時 16-22時
定休日:日曜日(貸切の場合は要相談)