2017年!お正月気分も抜けましたねぇ・・・
新しい年の抱負を胸に、日々お過ごしのことと思います。
え?まだ休みボケしてるって?
ところで、、、
障がい者のための「就労継続支援事業」って聞いたことはありますか?
一般企業に勤めることが困難な障がい者が就労・生産活動を行い、知識や能力向上を目指す
ための国家事業です。雇用契約を結んで給料をもらうA型と、雇用契約・最低賃金のないB型の
2種類があります。
昨年12月、上矢部町に「スマイルガーデン」という洋菓子店がOPENしました。
ここは就労継続支援B型事業所として株式会社スマイルワン(秋葉町)が運営を担っています。
代表取締役の星野斉氏に施設の概要や商品の紹介などお話を伺いました。
「テミルプロジェクト」という企画に参加するカタチで、事業を行っていますが・・・
テミルプロジェクトとは?
全国の有名パティシエの指導協力を受け、人気絵本作家のパッケージデザインの力を借りて、
商品力の価値が高い菓子類を販売するという、知的障がい者の就労支援のための企画です。
就労継続支援B型事業所はA型に比べると、障がい者に合わせて自由に賃金・就労体系を組み、
穏やかなペースで就労訓練をすることができますが、そのぶん生産性も低いため、
賃金が低いことが問題となっています。1か月の平均給与は1万円ちょっと・・・
このプロジェクトには「障がい者の作ったお菓子」というイメージをくつがえし、
ハイレベルな商品を産み出すことで利益を高め、賃金アップを試みる狙いがあります。
そして国からの給付金で運営できるため、販売が伸びれば増えた利益は障がい者の
給与として還元されます。
「スマイルガーデン」でも高めの水準で給与を渡すことを目標にしています。
星野氏:
「障がい者の就労場所は増えており、次の段階へ入る時期にあります。
それは障がいの有無にかかわらず、人々がお互いに尊重し支えあう共生社会の実現です。
障がいのある方たちの能力を説得力のある形で示し、社会に向けて発信していくことの
必要性を感じています。こういった新たな事業が社会貢献につながればと考えます。」
無意識にせよ、社会には障がい者に対する差別・偏見がいまだ根強く残っています。
障がいのある人達と接する機会を持つことで相手を知り、
誰もが同じ地域社会の一員として暮らしていける環境ををつくり、
共に支え合って生きる・・・「共生社会」という概念を理想に、事業に臨んでいます。
Be絵本大賞を受賞した新人絵本作家「ありま三なこさん」とコラボ。
店内外のイラストを独特のキュートなタッチで描いてもらい、
商品のパッケージにも取り入れていく準備をしています。
埼玉県にある菓子工房のオーナーシェフで、数々のコンクールで受賞経歴をもつ
一流パティシエ横田秀夫さんがレシピ考案と監修を担当。
星野氏:
「やはりプロが作成したレシピというのはスゴイもので、指定された通りの卵や牛乳などの
材料を使わないと、全く同じ味にはならないんですね。複雑な作業をこなしていくために、
製菓に詳しいスタッフを置いて、きっちりと指導しながら忠実に工程を進めていけば、
ピタリと素晴らしいものが出来上がるのです。私も商品に惚れ込みました。」
その他テミルプロジェクトには名だたるパティシエや絵本作家さんたちが
協力を惜しまず、規模を拡大している様子。
お菓子づくりを通して、関わっている人たちも買って食べる人たちも
皆が自然と笑顔になれるような、あったかい事業なのですねー。
最近はコンビニスイーツも質が上がり手軽さがウケていますが、
高い志に基づいた、心のこもったお菓子を食べることを大切にしたいもの。
量産では作れない何かが絶対あるはず!
焼き菓子
●フィナンシェ3種類(プレーン・チョコ・抹茶)
●プチサイズのマドレーヌ2個入
●抹茶サブレ
を現段階ではそろえています。
ブランマンジェ
上:いちご300円、下:もも250円
ももは通年の予定ですが、いちごはシーズン中のみ。
季節に合わせてどんなフレーバーが登場するのか、お楽しみに!
ちなみに火・木曜日の11時~シュークリームの限定販売をしているそう。
プレーンといちご❤
試作では「抹茶が恐ろしくウマい!」とのお話でしたが、
本格的なクリームやガナッシュ作りなど、より高度な作業が必要なので
今のところ商品化はされていません。
いつか販売がスタートしたら、ぜひ食べてみたいんだけどなあ~。
作業中の風景を少しのぞかせていただきました。
厨房はまだピッカピカ!
皆さんの9時~16時までの勤務時間は~朝礼・ラジオ体操・清掃から始まって
70分ずつの作業・何度か休憩時間も必要で、最後の片付け・終礼まで~
プログラムはきちんと決まっています。
作業人数や時間が限られているので、あまりたくさんは製造できないわけです。
品質保持のために指導・補助の一般スタッフも4名ほど入り、
今のところ9名の方が働いていますが、最大20名まで障がいのある方々を受け入れる
準備があります。主に20~30代の方々がおられ、面接しながら少しづつ受け入れを
増やしていく予定。
星野氏:
「知的障がいのある方(発達障害など)は学校や社会生活の中でトラブルに遭遇したり、
いじめられた経験をもつ場合が多く、あるいは家庭の中でさえイヤなを思いをすることもあって、
心に深い傷を負っているものです。
そして彼らは友人もなかなかできないので誰かに相談することもままならず、
自分で解決策を見出すことも困難なため、よりダメージが大きくなってしまうようです。」
似たような境遇の仲間たちと信頼関係を築きながら、いきいきと楽しく笑顔で過ごす。
孤独感から抜け出して、自分の居場所をもつ幸せを味わう。
商品の価値を社会に認められることで「働く喜び」を感じて自信がついていく。
いつかはここから巣立って、一般企業に本格的に就職を目指すことも可能かもしれません。
そのためのスキル向上、就職サポートもここで受けることができます。
* * * *
さて、そんな自慢の手作りスイーツを試食させていただきました。
ブランマンジェ(いちご)
鶴ヶ峰にある「二宮いちご園」の高級いちごを使用!
こちらは章姫ですが、時期によって品種が変わるようです。
1個300円なり。
一般のお店ではこんな良心価格ではとても販売できないのですって!
ブランマンジェはフランス語で「白い食べもの」という有名なデザート。
中東で砂糖とアーモンドから作ったのが起源だそう。
上にのっているいちごのジュレ的なソースは、いちごの自然な甘味と酸味が感じられ
とってもフレッシュ。おいしいいちごを使っているからこそ出せる味ですね~。
白い部分は、冷たくフルンフルンとした滑らかな口どけ感があり、
サッパリ甘くてこれだけで食べてもオイシイ♪
レストランで食後に出されるような上品なデザートに仕上がっています~。
フィナンシェ3種
今後の焼き菓子としては、可愛らしいキャラクターの抜型クッキーを
商品化していきます。お子さんに喜ばれそうですね。
絵本作家「ありま三なこさん」のパッケージにも期待!
一番人気★抹茶のフィナンシェをいただきました。
外側はサクッと小気味いい焼き加減で、中はしっとりやわらかく。
ぷわ~んと抹茶のまろやかな香りが口の中に満ちて、たっぷりバターの風味が効いてる~。
小豆大納言がアクセントになってますね。
う・ふ・ふ♡
笑っちゃうほどオイシイ!!!
予想をはるかに超えた味しさでした。まさにプロ級。
焼き菓子づくりが趣味です~♪というフツーの主婦では到達できないレベルです。
障がいをもっている方たちが、どれほど努力して丁寧に作業をしているのか
想像してしまいました。立派!
お友達へのチョットした手土産として、主婦ライターも個人的に購入。
(もちろん自分用にも!)
きちんと袋に詰めて、丁寧にお見送りしてくれました。
スタッフさんがニコニコと嬉しそうに働いておられるので、
こちらとしても何だか気分が良くなりました。
元気をおすそ分けしてもらった感じです。来てよかった~。
今年の営業は1月11日(水)~です。
1月末から贈答用の対応も開始するそうです。
障がいのある方たちが一生懸命に作っている最高に美味しい洋菓子を買いに行って
みてくださいね~。
主婦ライターの評価が決して誇張ではないことを、ご自身の舌で確かめてみて
いただけたらと思います。
スマイルガーデン
https://www.facebook.com/smileoneinc/
住所:横浜市戸塚区上矢部町143番地 東建ニューハイツ戸塚1階
営業:平日10時~15時、土日祝休み
駐車場あり