お盆休みに涼し~い東北でリフレッシュしてきた主婦ライターです。横浜の暑さがこたえます。残暑は長く続くのでしょうか・・・
さて今回、精力的に活動している方をご紹介したいと思います。
「みんなのお箸プロジェクト」
神奈川県主催の「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2018年」においてベストプラン賞を受賞した「みんなのお箸プロジェクト」、代表者は戸塚区在住の平沼芳彩さん。この活動を始めたのは約10年前ですが、「とつか区民の夢プロジェクト補助金対象事業」にも選ばれ、ここ最近は区内はもとより他地域にも活動の範囲を広げ、多数のワークショップを開催しています。
代表の平沼芳採さんに活動のきっかけを聞いてみました。
お孫さんと接する中で、お箸遣いの様子が気になったといいます。さらには現在のママ世代も正しいお箸遣いができていない人が多いと知り、お箸の大切さを伝えたいと思うように。礼法講師だった経験を活かして、「みんなのお箸プロジェクト」を立ち上げて、お箸の文化やマナーに関するセミナーを行う活動をスタートしました。
多数のボランティアさんにも支えられています。お箸づくりのための下準備やワークショップ当日のサポーターとして、シニア世代の男性を中心に活躍してもらっています。
「Myお箸をつくってみよう」
7~8月の夏休み期間中、区内の各地区センターや地域ケアプラザで子ども向けのワークショップを開催しています。この日は東戸塚地区センター2階の木工室で3歳~小学生親子を対象に、8名のお子さんが参加しました。自由研究のテーマにするというお子さんもいました。
手の長さを測ってお箸の長さを決めます。
ひとあた(親指と人差指を直角90°に広げ、両指の先を結んだ長さ)×1.5倍、「ひとあた半」がちょうどよいお箸のサイズになります。
用意されているお箸を手の長さに合わせてカットします。
このお箸は持ち手の部分は三角形に、先の部分は掴みやすいよう六角形に削られています。すべてボランティアの男性陣が準備しており、ここまでカンナで仕上げるのも大変な労力がかかっているそうです。
木工好きなメンバーを募集中♪
平沼さん:
「子どものお箸は、身体の成長に合わせて見直してくださいね。靴のサイズアップをする時が目安です。身に着ける物はサイズが気になるけれど、お箸はずっと同じ・・・というご家庭が多いです。お箸屋さんでも子ども用のお箸のサイズがあまり揃っていないことが多いのも一因かも知れません。それもあって、子ども向けのお箸をつくることを考えました。」
※子ども用のお箸を売ってほしいという問合せもありますが、現在のところ販売はしていません。お箸作りワークショップに参加して、趣旨を理解いただき、体験してもらいたいとの想いがあるとのこと。
ボランティアのスタッフに手伝ってもらいながら、専用の工具で動かないように固定し、ノコギリでギコギコとお箸をカットしていきます。初めてノコギリに触れたお子さんもいて、緊張した様子で真剣に取り組む様子が見られました。
戸塚区のシンボルである桜の木を使っており、軽くて加工しやすいというメリットがあります。天然木は素朴な風合いがあり、ぬくもりが感じられるようです。食洗器はNG、丁寧に扱いたいですね。カットした端材を、ボランティアの方がオマケの箸置きに加工してくれました。
平沼さん:
「お箸は食べ物と自分をつなぐ神聖な道具です。食卓へ直置きせずに、普段から箸置きも使ってほしいですね。」
紙やすりで角を削ります。
お箸の三角形の部分を持ちやすいように、角を落としていく作業です。滑らかになるまで2種類のサンドペーパーを使って、調整していきます。
絵や文字を鉛筆で下書きします。
側面に自分の名前やイニシャル、簡単なイラストなどを入れ、自分だけのオリジナルに加工します。
バーニングペンで焼き付けます。
下書きを焼くのは大人の作業です。高温なので火傷に注意!複雑な下書きをすると、鉛筆と同じ太さの0.5cmのペン先ですが、この作業が難しくなります。はみ出さず均一に仕上げるには集中力が必要!辺りに木が焦げるような臭いが漂います。お子さんもやりたいでしょうが、ちょっと危ないですね・・・
その間に、子どもたちはお箸の持ち方の練習をしました。片足でバランスよく立てるかチェックし、指の体操をしました。スムーズにできたかな~!?
最後の工程はオイル磨き。
子どもの口に入るものなので、無農薬無添加の安心なオイルを使用。1枚目の布でオイルを浸み込ませた後、2枚目の布で乾拭きして仕上げます。オイルは自宅へ持ち帰り、5日間はこの作業を繰り返して、オイルを馴染ませます。使いながらたまにメンテナンスをしてあげると味わいが出てきて、Myお箸にますます愛着がわくはず!
完成したMyお箸で正しい箸遣いの練習をしました。
その後はスライドを見ながら、お箸の歴史や文化についても学びました。毎日3食、当たり前にお箸を使い、とても身近な存在なのに、お箸について知らない事も多いですよね。遣い方からマナーまで、食卓で子どもにきちんと伝えている家庭はどのくらいあるのでしょうか。
平沼さん:
「お箸の指導は、決して食事中にやらないこと!美味しく楽しく食べたいのに、注意されると子どももイヤな気持ちになります。お箸の練習は遊び感覚でやってくださいね。100円ショップにあるカラフルなスポンジを、色んなサイズに切ってあげるのがオススメ。水を含ませると煮物っぽくなりますよ。」
平沼さん:
「今日ご参加の方で、お箸の遣い方ができていないお母さんもいらしゃいましたが、ご本人にはその自覚がなく、自分はできていると思っている。そんな方が多いと思います。お子さんの8割、お母さんの7割が正しい箸遣いができないという統計もあるんです。」
美しい作法でお箸が遣えるのは素敵なこと。お箸から「食」や「文化」についても見直すことができ、奥深さを感じさせるワークショップでした。夏休みということもあり、今回は子ども向けのワークショップでしたが、大人向けの文化講座も開催しています。お箸について興味のある方はHPをご覧くださいね。
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みんなのお箸プロジェクト