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全くノーマークでした。
3年前、東戸塚に小さなコンサートホールができていたなんて!
そこで10月1日(日)東戸塚在住のバイオリニスト弘田久美子さんが
演奏すると聞き、光栄にも取材をさせていただくことができました。
sala MASAKA
JR東戸塚駅からアクセス良好な場所にある、約60人収容のコンサートホール。「ミューザ川崎」の設計者が手掛けたもので、一流の演奏家を招いたり、音楽好きのオーナーが厳選した良質なコンサートが楽しめたり音の響きが素晴らしいサロンとして話題を集めています。
音楽の知識はないけれど、コンサートは結構好きな主婦ライターがワクワクしながら伺いました。
ホワイエは まるで個人のお宅みたい。木造の吹き抜け空間が明るく心地いい雰囲気で、来場客を迎え入れてくれました。受付を済ませて中へ入ると、自由席になっているのでお好きな場所へ。2Fにはバルコニー席がありました。 どんなコンサートになるのでしょうか。
~出演者ご紹介~(photo:本人提供)
弘田久美子(バイオリン)
リスの鳴き声で目が覚める、緑燃ゆる鎌倉の山奥育ち。
クラシックを奏でて30数年! 胎教として母親のお腹の中で聞いていたブラジル音楽をマサカ自分が演奏することになるとは!
海外で最高賛辞とされる「シルバーサウンド」と評され、その独特な音に定評がある。
桐朋女子高等学校音楽科を経て同大学音楽学部、研究科終了。ロンドンのギルドホール音楽院Postguraduate(AIS)マスターコース修了、修士号を取得。
第5回かながわ学生音楽コンクール入選他、国内外多数の音楽祭に参加。室内楽、オーケストラ演奏を中心にゲーム、映画音楽のレコーディングやテレビ出演ほか、キッズコンサートにも力を入れ、4年前よりブラジル音楽活動を始める。
指導者としての評価も高く、地元はもとより地方へも出向きコンクール入賞者を輩出している。
赤羽泉美(フルート)
裏山にはカモシカが顔を出す、そんな標高800mで育った「信州のおてんば娘」。
リオの海辺のボサノバに、出会って、恋して、憧れて…!!
信州を連想させる繊細かつ情熱的なサウンド、
聴き手の心を揺さぶる演奏にファンが増え続けている。
5歳でピアノをはじめ12歳でフルートに出合う。昭和音楽大学卒業後、国内唯一のブラジル音楽専門ピアニスト今井亮太郎氏との共演をきっかけにブラジル音楽に出合う。
長野県若手芸術家支援事業「next」のアーティストに選ばれる他、辰野町若手PR大使就任、Motion Blue Yokohamaワンマンライブ成功、テレビ、ラジオ出演など新進気鋭のボサノバフルート奏者として注目を集めている。
2014年メジャーデビューアルバム【WHITE BOSSA】を、2017年には1stソロアルバム【ソライロ・スコープ】をリリース。
今井亮太郎(ピアノ、アレンジ)
粋でイケてる男前!湘南のマランドロ(遊び人)なんて異名も!
カラダ全体で奏でられるそのピアノは、底抜けにゴキゲンでグルーヴィ!
聴くひと誰をもトリコにしてしまう、魅力的なブラジリアンピアニスト。
ブラジル・リオデジャネイロへ渡りブラジル音楽を学ぶ。リオの伝統的な奏法に、地元・湘南の明るく自由な空気を掛け合わせて独自のスタイルを築き上ており、本場トップミュージシャンからの信頼も厚い。
アレンジ力にも定評があり、本コンサートでも手腕をいかんなく発揮している。その類まれなる才能を駆使して、ブラジル音楽の魅力を伝え続けるトップアーティスト。
2013年メジャーデビューアルバム【ピアノ・サウダージ-featuring Izumi Akahane】リリース後、【ピアノ・ジョビン】【ピアノ・バトゥカーダ】【コバルト・ダンス】と立て続けに3枚のリーダーアルバムをリリース。(日本コロムビア)
また、4枚のプロデュースアルバムをリリース。
~期待が高まる会場の様子~
「ボサノバ」はカフェバーやライブハウスなどで演奏されるため、マイクを通した演奏が基本スタイルですが、今回はマイクを通さず生音で演奏するという珍しいコンサート。そしてヴォーカルはなく、バイオリン、ピアノ、フルートのアンサンブルというこれまた珍しい編成。なかなか出会えないスペシャル企画でした☆
バイオリニストの弘田久美子さん:
「私はオーケストラや室内楽、映画やテレビでの演奏などクラシック出身の演奏家として活動していますが、近年ブラジリアンバイオリニストとしても活動し、湘南、都内での演奏をしています。今回初めての地元開催となり、地元の皆様に活動を知って頂ければと思っています。」
これまで正統派クラシックでやってきた弘田さんにとって、ブラジル音楽はずっと息抜きに聞いていた癒される存在でした。演奏を始めて4年、クラシックとは全く異なる部分に戸惑うことも多いですが、ピアニストの今井さんとフルートの赤羽さんに出会えてブラジル音楽の知識を吸収させてもらい、とても素晴らしい経験を積んでいるそうです。弘田さんにとって地元でコンサートを開くことができたのはこの上ない喜びで、恩師や友人などたくさんの方が応援に駆けつけていたようでした。
前半は、バッハ「G線上のアリア」から始まりました。ボサノバの名曲「イパネマの娘」やショーロからは「カリニョーゾ」「甘いココナッツ」、テレビCMでも使われた「ティコティコ」など魅力たっぷりのラインナップ。時折MCが挟まれ、ボサノバにまつわる様々なお話で盛り上がりました。
一見ホストのような(笑)今井亮太郎さんは平塚市出身。ブラジルピアノの第一人者で、作曲家・編曲家・プロデューサーとしても活躍する多彩な人物。「ブラジル音楽には特有のノリ=グルーヴがあり、大きな揺れを感じる。それは日本人にはない、本場でしか体感できないもの。」と熱くパワフルに演奏したり、MCでは精通するブラジル音楽についてチャラい感じで軽妙なトークを繰り広げたりと、会場を沸かせてくれました。
一方、フルート奏者の赤羽泉美さんは諏訪湖のほど近く、長野県の辰野町出身。(とっても田舎なよう)高校時代よりピアノと並行して活動していたフルート演奏に徐々に傾倒し、弘田さんと同じくクラシック出身ですが、ブラジル音楽の魅力にはまってしまったようです。
ステージと客席の間に段差や距離がないせいか、一体感が半端ない!演奏家の表情を間近に、息遣いまでも聞こえてくるほどです。お互いにアイコンタクトを取りながら、客席には分からないコトバを交わしていたようで。3人の息のあった演奏に客席もすっかり引き込まれてしまいました。大ホールで行われるダイナミックなコンサートとはまた趣が違い、小さな空間を活かした演奏の醍醐味が感じられました。
前半8曲の演奏が終わり、休憩に入ります。
受付の横に、今日の出演者のCD販売コーナーが設けられました。
そして、いよいよ後半のはじまり♪
3人が入ってくると、予期せぬ衣装替え!
しかも素敵な秋色。
客席からは「ほ~っ!」とため息が漏れました。
「星踊る夜に」というロマンチックな曲からスタート。ピアニストの今井さんが15歳の頃に作曲したもので、情感たっぷりに聴かせてくれました。そして3人でボサノバの名曲「ワンノートサンバ」「私はあなたを愛するでしょう」「想いあふれて」を続けて演奏。会場を魅了しました。
終盤にはフルート奏者の赤羽さん作曲による「かまくらのリス」「とおんきごうの森」という可愛らしい曲が披露され、身体全体を使っての表現豊かな演奏が印象に残りました。ラストは「愛の挨拶」、アンコールには「白い道」でコンサートはフィナーレを迎えました。客席からは賞賛の拍手がおくられ、満ち足りた空気に包まれました。
☆お知らせ☆
ここ「SalaMASAKA」では、年間を通して数々のコンサートが企画されていますが、今回の「ボサノバ室内楽」は早くに満員御礼!となった人気ぶり。
そこで、再演決定!!!
同じコンサートが2月3日(土)に開催される予定です。興味をもたれた方は「SalaMASAKA」のHPをチェックしてみてくださいね。
ボサノバ室内楽♪
日本では根強い人気を誇るボサノバですが・・・小野リサ!というイメージですね(笑)。コンサート中に基礎的な説明がありましたので、初心者向けにかいつまんでご紹介します。
ブラジルにはもとも大衆的な「サンバ音楽」があって、1950年代にニューウェーブとしてより心地よく洗練された「ボサノバ」というジャンルが確立されたそう。(ポルトガル語でBOSSA=傾向、NOVA=新しい)有名な曲がたくさんあるので、聞いたことがあるナンバーは結構あると思いますよ!ちょっとハイソで甘い感じですよね!
ボサノバの代名詞ともいえる3名の人物が作曲家「アントニオ・カルロス・ジョビン」、作詞家「ヴィニシウス・ジ・モラエス」、ヴォーカル&ギター「ジョアン・ジルベルト」。いわゆる名曲はほとんどこの3名によって生み出されています。
なお、1900年初頭に生まれた「サンバ」のもとになっているのは、耳慣れない言葉ですが、「ショーロ」(ポルトガル語で泣くの意味)という古くからあるポピュラー音楽とのこと。西洋音楽(クラシック)と黒人の音楽がミックスされたもので、情緒豊かな曲調が持ち味です。
前述の「サンバ」「ボサノバ」「ショーロ」のカテゴライズはリズムや旋律などから区別されるようですが、根底部分に共通するキーワードは「サウダージ」。ポルトガル語では広い意味があって日本語に直訳するのは難しいとのこと。例えば、別れた恋人や家族・故郷などを懐かしんだり、思い出に浸ったり・・・「哀愁・郷愁」といったところでしょうか。明るいメロディーの中にもどこかもの悲しさが感じ取れてしまう。そんなところが日本人に受け入れられる所以かもしれません。演歌とはまあ違うんでしょうが・・・(笑)
そして特筆すべきは「ピアノ」
チェコの名器「PETROF」
歴史と伝統あるピアノメーカーで、知る人ぞ知る存在。日本では希少でファンの方々がわざわざ見学に訪れるくらい・・・(まるでショールーム?)後からピアニストの今井亮太郎さんに聞いたところ、「低音と高音がしっかりしていて、かつ繊細。まるで会話しているように細かいニュアンスが出せる。派手さはないけれど優美な音色が風情のあるメロディーにとても合うので、ブラジル音楽にしっくりくるのでは。」ということでした。
★撮影タイム★
さて最後はファンサービスでした♪
客席に向かってポーズを決め続ける3人。
アットホームな様子が分かりますか!?
「じゃんじゃんSNSにアップしちゃってください!」
演奏中もMCでも、3人はとても楽しそうにイキイキとした表情をされていました。音楽にかける情熱や充足感がダイレクトに客席に伝わってきて、なんだか温かい気持ちがこみあげてきました。
バイオリン、ピアノ、フルートが織りなす素晴らしいボサノバの生演奏を心ゆくまで堪能し、贅沢な時間を過ごすことができました。ありがとうございました!!!
バイオリニストの弘田久美子さん
「東戸塚はお子さんも多く、音楽に関心のある方も多いのではないでしょうか。音楽に対する需要はあるのに、楽しめる機会や場所がなかなかありません。これを機に音楽の素晴らしさを地元から発信できれば・・・と考えています。ハードルの高いモノでなくても、楽器にちょっと触れてみるとか演奏を聴くだけでもいいと思うんです。人にとって音楽は力を与えてくれたり、心のよりどころになる素晴らしさがあると伝えたいです。」
弘田さんは個人向けレッスンも行っています。
小さなお子様から大人まで初心者・経験者問わずですので、
ご興味ある方は直接メールでお問い合わせください。
各種会場での演奏依頼も歓迎です。
ブログも覗いてみてくださいね★
弘田久美子
mail:tanakumi0506@gmail.com
https://ameblo.jp/tanakumi56?frm_id=v.jpameblo&device_id=c1426664805a4566adaaf85a4764ffd2
Sala MASAKA
https://www.salamasaka.jp/index.html
横浜市戸塚区品濃町514